『これ、いったいどうやったら売れるんですか?』(永井孝尚 著)の要約をflier(フライヤー)で読んだ。
高級時計やベンツ、セブンイレブン、プリン屋さん、はなまるうどんなどのマーケティング事例が分かりやすく説明されている。
なかでも面白かったのが「はなまるうどん」の事例だ。
ちなみに著者の永井孝尚さんは『100円のコーラを1000円で売る方法』の著者でもある。
はなまるうどんの「他店期限切れクーポン作戦」が面白い
2012年の事例なのでかなり古いものにはなってしまうが、面白かったので紹介したい。
当時、はなまるうどんは健康意識の高い女性を囲い込みたかった。
健康を意識したメニューを開発するも、なかなか認知されず苦戦していたとき「他店期限切れクーポン作戦」を実施。
これは、他店のものでも構わないので ”とにかく期限切れのクーポンをはなまるうどんに持ってくれば50円引きする” という大胆なキャンペーン。
このキャンペーンではなまるうどんは大成功を収めた。
はなまるうどんのプロモーション戦略「他店期限切れクーポン作戦」では2億円の広告と同じ効果が生まれ、回収クーポンは12万枚、売上も3%増加し大成功を収めた。
突拍子もないアイデアはどのようにして生まれたのか
「他者の期限切れクーポン」を自社の割引券として活用するなんて、突拍子もないアイデアだ。
どのようにして思いついたのだろう。
はなまるうどんは、まずはターゲット層である健康意識の高い女性に知ってもらう必要がある、ということで顧客を観察。
すると、女性の財布がぱんぱんになっていることに注目し、その中にはたくさんの期限切れになったクーポン券が入っていることに気づいた。
一見突拍子もないアイデアであるが、それは経営者の頭の中から出た「発明」ではなく、顧客の行動の「観察」から生まれたものであった。
困ったときは顧客の行動を徹底的に「観察」せよ
アイデアが生まれない時は、サービスを届けたい人の行動を徹底的に観察すべき、ということを学んだ。
よく私がやりがちなのが事例を探してしまうことだ。
事例を探すことも悪くはないかもしれないが、そもそも私が解決しなければならない課題とはターゲットが異なる場合が多いので、必要な対策が当然異なる。
なので、サービスを届けたい人の行動を観察した方が、直接的なヒントを得られる場合が多い。
また、対策のインパクトも大きい場合が多いような気がする。
顧客の行動を「観察する」ということは、以前に紹介した「ハック思考〜最短最速で世界が変わる方法論〜」でも取り上げられていた。
「観察」「考察」「推察」「洞察」を繰り返すことで、ハック思考の精度が高められる。