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『東京大田区・弁当屋のすごい経営』(要約)を読んだ感想

『東京大田区・弁当屋のすごい経営』(菅原勇一郎 著)をflier(フライヤー)で読んだ。

弁当屋が年商70億とか、廃棄率0.1%とか、いい意味で非常識を実現している経営者の話は面白い。

この本は「玉子屋」という大田区にある弁当屋の経営の話で、1日に7万食も販売しながら、廃棄率は0.1%という驚異的な実績を叩き出している。
その経営手法はアメリカのスタンフォード大学の大学院教授が視察に来るほど。

普通のやり方ではこのような実績を出すことは不可能なので、まさに昨日読んだ『ハック思考』に書かれているようなことが自然となされているのだろう。

数値で見る玉子屋のすごいところ

この数値を見ると、玉子屋がいかにすごい経営をしているかが伝わりやすいだろう。

  • 販売している弁当の種類は1種類(日替わり)
  • 1食450円のお弁当を販売して年商は70億円
  • 先代から会社を引き継いだ当時は1日2万食だった実績を1日7万食まで伸ばした
    ※ちなみに、東京ドームの収容人数が約4万6000人
  • 原価率は53%(一般的に良心的と言われる弁当屋さんでも、原価率は40~42%)
  • 廃棄率0.1%(弁当屋の一般的な廃棄率は3%)

玉子屋は商品開発がすごい

玉子屋はお客さんが欲しい商品を提供することにこだわっている。

玉子屋では、仕入れ優先でメニューを決めているわけではない。お客様に喜ばれるメニューを考えるのが先、仕入れが後だ。

なので、メニューが1種類でもお客さんは玉子屋のお弁当を食べたいと思うし、質がいいので安心してお金を払うことができる。
この”安心してお金を払わせる”ことが大事なのかもしれない。

少し状況は異なるが、アイリスオーヤマの商品作りも共通している部分がある。
世間一般的な商品開発は、材料費やコストを積み上げていき、最後に利益を乗せて販売価格を決定している。
しかし、アイリスオーヤマは、はじめにお客様が買いたいと思う価格を設定し、その価格で販売できるように商品開発を進めている。

その話を思い出した。

また、玉子屋は特にお米にこだわっている。
営業のキラートークが「ご飯を比べてください」である。

日本人はほぼ毎日ご飯を食べている。
そのため、個人個人で味や品質の基準がすでにあり、他の商品と比べやすい。
そこで品質にこだわったお米を食べ比べさせることで、信頼を得ることができる。

ご飯(お米)で合格点をもらうことができれば、その他のおかずの信頼も自ずと獲得できるだろう。

玉子屋は顧客の声を逃さない

玉子屋の廃棄率は0.1%という驚異的な数字の裏には、地道な情報収集がある。

玉子屋の弁当の容器は使い捨てではない。

あとで容器を回収している。

容器回収時、各契約会社の担当者から「明日は会議が多くて会社に残っている人が多い」「大きな販促イベントがあるから、外に出る社員が多い」などといった情報をさりげなく聞き出せば、翌日の見込み数に反映できるのだ。

この回収作業をする際に、配達先の会社の担当者から、会議や社内イベントの情報を聞き出し、お弁当の注文見込みに反映している。

情報に対する貪欲さと、それを回収するための無駄のない動きに脱帽した。

さらに、今後はお客様へのアンケート調査などで、さらにニーズを深く、正確に把握する取り組みをしようとしている。

玉子屋は社員教育がすごい

最後は、システムづくりがうまいという話だ。

会社が成長し続けるためには、社員ひとりひとりの成長がなによりも大事だと思う。

社員の「指導能力」を評価することで、積極的に後輩を育成する仕組みを作っている。

玉子屋は、「指導能力」を評価している。

たまに耳にする「部下の活躍を上司が横取りする」という最悪な環境にはならない。

優秀な人材が次の優秀の人材を育ててくれることで、理想的な好循環が生まれる。

『売上を、減らそう。』もおすすめの本

『東京大田区・弁当屋のすごい経営』が気に入ったら『売上を、減らそう。』という経営本もおすすめだ。

『売上を、減らそう。』は1日100食限定という、飲食店の話。
そして、なんと飲食店なのに冷蔵庫がない。

「1日100食限定」というコンセプトがすごいメリイットを知ることができる。

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