『カスタマーサクセスとは何か』(弘子ラザヴィ 著)をflier(フライヤー)で読んだ。
Web関連の仕事をする個人事業主となった私は、本当にこの『カスタマーサクセス』が大切だと感じている。
そして、この本には書かれていないが、個人的には『パートナーサクセス』も非常に重要だと思う。
『パートナーサクセス』については最後に説明する(だいたいあなたの予想どおりの内容だと思う)。
『カスタマーサクセス』というのは、言葉の通り「お客様に『成功』を届けること」である。
この本で特に参考になったのは以下2点。
- 商品(またはサービス)を買ってもらう前だけではなく、買っていただいた後が大切
- お客様の成功とはなにか?を深く知ることが大切
これは肝に銘じておき、何度も思い出したい学びである。
商品を買ってもらう前だけではなく、買っていただいた後が大切
よく言われる話だが、新規で注文をいただくのと、既存のお客様から注文をいただくのとでは、比べ物にならないほど前者(新規)の方がコストも労力もかかる。
また、既存のお客様は新しいお客様を紹介してくださる可能性も高く、既存のお客様をフォローしていくことは、新規獲得につながる行動でもある。
特に地方では、お客様同士が知り合いだったり、そもそもの顧客数に限りがある場合が多いので、既存のお客様への対応がすごく大切だ。
『カスタマーサクセスとは何か』では、カスタマーを虜にするリテンションモデルを推奨している。
リテンションモデルにおける事業の舵取りは、モノ切り売りモデルよりも難しい。だが「リテンション=カスタマーを虜にする」ことに成功すれば、結果的に競争優位に立ちやすいのが特徴だ。
この”カスタマーを虜にする”という発想が重要で、”お客様を満足させる”というレベルではいけない。
”虜”という言葉には「接触頻度」の要素がある気がする。
お客様にはある意味、中毒的に使ってもらう必要があるので、接触頻度が低いと”虜”にはならない。
なので、接触頻度を意識したサービスを考えたり、接触頻度が低い商材であれば、自分がお客様との接点となり、接触頻度を高めていく活動が必要になると思う。
たとえば、お客様の業界に関する情報や、仕事に役立つトピックを定期的にまとめてお送りする、などが考えられる。
余談ではあるが、私が会社員時代に営業兼ディレクターとしてやっていたことは情報提供である。
新規・既存問わずお客様を訪問することが割と多かったが、そのときに最近流行りのプロモーション方法からはじまり、プライベートなところでは携帯の料金を安くする方法など、とにかくお客様にとって役立つ情報を提供していた。
そのおかげもあってか、個人事業主になってからも直接声をかけてもらうことが多く、受注につながっている。
非常にありがたい限りである。
「自分には何もない」と思ってる人は、目の前にいる人にとって役立つ知識・情報を蓄えることをしてみるといいかもしれない。
技術を身につけるのは時間がかかるが、「知る」ことについては今日からできる。
お客様の成功とはなにか?を深く知ることが大切
特に参考になった2つ目のポイントは「お客様の成功とはなにか?を深く知る」ということである。
何よりもまず重要なのは、カスタマーにとっての「成功」を具体的に深く正しく知ることだ。ここでの「成功」とは、プロダクトが利用し尽されていることでも、それ自体がもたらす実用性でもない。カスタマーの事業が成功する(または生活がより良くなる)ことに直結する現実の成果を指す。
お客様の「成功」を知るというのは大事。
ここがブレてしまうと、いくら一生懸命努力したとしても、インパクトの小さい結果、もしくは全く見当違いな結果に陥る危険性がある。
本書によるとお客様の「成功」を理解している企業は少ないとのこと。
それなのに、実際にカスタマーの「成功」を理解している企業は少ない。「成功」を曖昧にしたまま購入するカスタマーもいる。
なので、自分たちが提供しているサービスは、お客様のどのような成功をもたらしているのかを、一度”言語化”しておくべきだと感じた。
言語化できないということは、正しい理解の前に、認識していない危険性があるからだ。
認識していなければ、確認することすらできない。
「パートナーサクセス」も重要だと思う
「カスタマーサクセス」について学んでいくと、「パートナーサクセス」も大事だよなぁと思い始めた。
「カスタマーサクセス」を導くために動いているのは自分だけではない。
パートナー企業や仲間も一緒に動いてくれていることが多い。
「カスタマーサクセス」のために「パートナーサクセス」をないがしろにすると、結局、協力者がいなくなり「カスタマーサクセス」は実現できなくなる。
ディレクターとしては、「カスタマーサクセス」と「パートナーサクセス」の両方を意識しなければならない。
もし、パートナーさんにお仕事をお願いする立場の人がいたとしたら、パートナーさんにも丁寧な対応をしてほしい。
「お金を払ってあげている」のではなく、「パートナーさんから価値を提供してもらっている」ことを認識し、お互い50:50で仕事をすべきである。
それを強く感じるのは、個人事業主となった私が、前職のパートナーさん、前職の社員の方々にすごく助けてもらっているからだ。
いつもありがとうございます。