『レファレンスと図書館』(大串夏身 著)の要約をflier(フライヤー)で読んだ。
図書館には「レファレンス」というサービスがあることをご存知だろうか?
レファレンスとは、図書館員が市民の疑問に対して、図書館でアクセスできる情報をもとに答えてくれるサービスだ。
週に1度は図書館に行く私だが、レファレンスというサービスを知らなかった。
近年の生涯学習の重要性などから、注目を集めだしているらしい。
今度、図書館に行ったときに、施設の中でレファレンスの案内がどのようになされているのか、注目してみたい。
そして、あわよくば利用してみたい。
図書館司書という仕事
レファレンスに答えてくれる専門職が図書館司書という仕事である。
アメリカでは「信頼できる専門職」のランキングで第2位が図書館司書なのだという。
ポイントは、”広い情報”から”公正”に情報を提供してくれる専門職だから。
もし、アルバイトができるなら図書館司書の仕事を体験してみたい。
みんながどんな情報を欲しがっているのか、生で体験してみたいと思う。
東京都立中央図書館では、年間に6万件以上の相談があるという。
1日に換算(365で割る)すると、164件以上。
実際は、営業していない日もあるから、もっと。
実際にどんな相談があるのだろう?
気になる。
レファレンスの相談事例は検索できて、面白すぎる
そう思って、「レファレンス 相談事例」でググってみた。
「レファレンス協同データベース」というサイトが見つかり、過去のレファレンス事例をキーワードで検索できるサイトを見つけた。
このデータベースに参館しているのは全国828の図書館のようだ。(2020/4/18現在時点)
これが実に面白い!
新しい遊びを発見してしまった w
試しに「織田信長」で検索してみた。
すると、369件のレファレンスがひっかかり、その相談内容を見てみると、実に具体的で面白かった。
御所柿がひろまるきっかけのひとつに織田信長が食して賞賛したということがあったと聞いたが本当か。
織田信長の日蓮宗弾圧について、どのような政策がとられたのか、具体的な内容を知りたい。
織田信長と離縁した濃姫は、その後どうなったか知りたい。史実に基づく資料はあるか。
想像していた以上に具体的で驚いた。
そして、これらの質問に対して、1つ1つ丁寧に回答されている。
さらに、レファレンス協同データベースの検索結果では、それぞれの質問に対する「回答」と「回答プロセス」を見ることができる。
ぜひ、一度この「回答プロセス」という項目を見てもらいたい。
いかに図書館司書の方があの手この手で回答を見つけようとしてくれたのかが分かる。
見つかった結果だけをだすのではなく、どんな切り口で、どのような調べ方をしたのか、そして潔く「手がかりなし」という場合もプロセスとして残してくれているのに好感を抱いた。
図書館のレファレンスは仕事の調べ物に最適
レファレンスの相談事例を見て、どのようにこのサービスを活用すればよいのかのイメージがわいてきた。
仕事柄、行政関連のWebコンテンツを作ることもあるのだが、行政関連のコンテンツは取材原稿に対して事実確認が重要である。
たとえば、「◯◯の生産量は日本一」という表現をしたかった場合、その根拠を明らかにしなければならない。
取材させていただいた生産者の方は、根拠がなく話しているケースも多く、「たぶん、そうだと思うよ…」というレベルがほとんどだ。
そんなとき、図書館のレファレンスを活用させていただくことで、仕事がかなり捗る。
貸し出しをしない図書館もある
それと、もう一つ興味深かったのは、日本には「貸し出しをしない」図書館が存在するということ。
「札幌市図書・情報館」という図書館は、貸し出しを行っておらず、レファレンス重視の図書館だそうだ。
「札幌市図書・情報館」のWebサイトには、コンセプト・ビジョンが書かれていた。
おしごとから、わたくしごとまで。
気軽に寄れて頼りになる、知的空間が誕生します。
市民のありとあらゆる「知りたい」「学びたい」というニーズに、気持ちよく応えてくれる施設のようだ。
「頼りになる」というところがミソのような気がする。
多くの情報があっても、多くの人はなかなかそこにたどりつけない。
そこをマッチングしてくれる人がいてくれたら非常に助かる。